共同研究Joint research
当院では、同門関連病院、近隣病院と協力し、積極的に多施設共同研究を行なっております。
非定型大腿骨骨折
各施設単独においては、なかなかまとまった症例数を経験することができない非定型大腿骨骨折症例を多施設より集積することで症例数を増やし、症例ごとに各種項目を解析し分類化します。その結果、 いまだ解明されていないその発症メカニズム解明、ひいては本骨折の発症を予防する方策につき検証を行うことを目的としています。
骨粗鬆症性骨折の二次骨折防止への取り組み(STOP-Fxスタディー)
骨粗鬆症性骨折患者に対して二次骨折予防(治療率と治療継続率の向上)を行うことにより骨折発生率を減少させることができるか否かを明らかにすることを目的としています。
二次骨折防止の取り組み(STOP-Fx study; Seamless Treatment of Osteoporosis against Fractures study)の概要につきましては下記の「研究概要」をご覧ください。この取り組みの主旨にご賛同いただき、 ご協力賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
四肢開放骨折(日本骨折治療学会:DOTJスタディー)
現在、本邦の救命救急センターでは、救急医が主体となり、救命を第一目標とした医療が展開され、一定の成果を挙げています。一方、四肢の外傷に精通した外傷整形外科医の関与が不十分で、preventable trauma disability(適切に治療していれば防ぎ得た機能障害)が相当数発生していると推定されます。日本骨折治療学会ではこの preventable trauma disability を減少させるために、四肢外傷治療の現状を把握・分析し、問題点を抽出し、 改善する必要があると考えています。
DOTJは,日本における四肢長管骨開放骨折の手術・治療情報を登録し,集計・分析することで、外傷治療成績の向上をはかる整形外傷登録制度です。
整形外傷治療に積極的に取り組んでいる全国の病院がこの登録に参加しています。
整形外科外来患者における運動器疾患による健康関連QOL低下に影響を及ぼす因子の検討
診療業務の一環として外来でのQOL問診聴取を行ってきており、より迅速なデータ管理及び解析を目的として、これらの健康関連QOLを調査するためのタブレット型タッチパネルでのQOL問診システムを開発し使用しています。本研究の目的は運動器疾患患者における各種健康関連QOLを総合的並びに疾患部位別に調査すること、また健康関連QOLの低下に影響を与える因子を明らかにすることです。
Coplanar法(メドトロニックソファモアダネック社)による側弯症
変形矯正のデータベース構築に関する研究
体内埋込型脊椎インプラントであるCD Horizon® Solera™ Spinal System(メドトロニックソファモアダネック社製)を用いたCoplanar法の、臨床効果および安全性に係わる医療情報データベースの構築であり、データベースを構築することはCoplanar法の安全性や有効性を判断する上で大変有用です。
姿勢・動作解析装置であるインソール型足底荷重記録計の臨床的応用
整形外科疾患を患う患者さんが治療(特に手術)によって、日常生活においてどの程度動けるようになったかを客観的に評価することは難しいです。今は、患者さんの主観や記憶の基づいたアンケート調査が主な評価法ですが、それらは、実際の行動や生活の質を反映できていない可能性があります。私達は、姿勢や動作が解析できるインソール型足底荷重記録計を新しい臨床評価の方法として採用し、私たちが行っている治療が本当に患者さんのためになっているのかを客観的に評価することにしました。
実施中の研究一覧
- 日本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)構築に関する研究
- 酸化ストレスに着目した特発性手根管症候群に対するエストロゲンおよびイソフラボン代謝物の作用機序の解明
- Colles 骨折に対する保存治療における矯正損失の予測因子としてのX線学的検討:後ろ向き研究
- 学生実習用解剖献体を用いた、骨盤骨折に対する下前腸骨棘からのアプローチ Teepee sign と外側大腿皮神経の走行位置の検証
- 献体を使用した骨髄点滴および皮下持続点滴における局所陰圧下での注入液拡散状態の検証
- 学生実習用解剖献体を用いた、四肢・体幹の神経、血管、腱の走行位置の検証
- 解剖献体を用いた皮弁モデル作成のための血管への各種樹脂注入による肉眼血管解剖研究~注入樹脂の素材の違いによる発色・視認性・費用対効果の検討~